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長野県品質工学研究会の活動報告(2024年2月&3月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2024年2月2日(金)、第14回品質工学実践交流大会を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)で開催した(参加者:25名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 副会長 増田雪也
2)品質工学の実践事例(3件)
「パラメータ設計を用いた薄型ブラケット旋盤加工の真円度改善」
「MTシステムによる通勤時間に関する研究」((有)増田技術事務所 増田雪也)
「MTシステムを用いた表面粗さ曲線の解析」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
3)特別講演会「AIをMTで評価する」(東京都立産業技術大学院大学 越水重臣)
AI(機械学習・深層学習)およびMT法についての紹介の後、AIが生成したゲームキャラクターの画像を、MT法で判別した結果を紹介いただいた。
人間が判別した結果と大差ない結果となっており、大変興味深かった。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年12月&2024年1月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2023年12月2日(土)に第20回4県品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)をテクノプラザ岡谷(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。21名(埼玉1名、北陸3名、山梨4名、長野13名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【各県研究会の近況報告】:参加各県の研究会の活動が報告された。
【各県の事例発表】
・パラメータ設計での推定式の活用(長野県品質工学研究会 岩下氏)
・わかりやすい品質工学の考え方(北陸品質工学研究会 林氏)
・旋削加工の技術開発(品質工学フォーラム埼玉 鷺谷 氏)
・パラメータ設計の社内実習(山梨県品質工学研究会 古江氏)
【討論:ツールとしての品質工学】:何をやれば、品質工学をツールとして使える様になるのか?単純に、社内教育し、実践し、その成果を発表しても、思うように普及しない。では次の手は何なのか?についてディスカッションした

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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年10月&11月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2023年10月13日(金)に2023年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:9名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。

【事例発表】
1.「自動生産における品質管理と異常の定義について」(太陽工業(株) 葉玉知子)
自動生産ラインに組込むシステムについて異常判定をどのように定義するか、業務案件の課題を相談させていただき会員の皆様にご教示いただいた。
品質工学を用いて判断することをご提案いただいたので、社内で改めて検討したい。

2.「UAVを用いた水稲におけるリモートセンシングの活用」(南信空撮 中西徹)
マルチスペクトルカメラを搭載したドローンで、夏場の圃場のNDVI分布を確認したところ、育成不足の部分が判った。そこで、育成部分のみにドローンで追肥をしたところ十分なリカバリーが出来た。
更に、7月中旬のNDVIの高い部分は、9月初旬に倒伏した部分とほぼ一致し、NDVIで倒伏予測が可能であることが分った。
来年以降は、NDVIを予測するためにT法を活用したり、パラメータ設計でNDVIの均一化を図る等、品質工学を農業分野にも適用していきたい。

3.「シナノケンシのパラメータ設計推進活動の紹介」(シナノケンシ(株) 辻希望)
パラメータ設計の進め方や適用方法等を紹介した。
品質工学を主張しすぎるとかえって使いたくないと思う人が現れるので、困っている課題に対して、アプローチするのは良いのではないか?とか
L18直交表は時間が掛かると言う人には、L8直交表を勧めるのが有効とか
勝手にやってしまう人には、L18だとしても、1条件ずつ小出しにして試験を進めてもらうとか
他にもいろんな話を聞くことが出来た。

4.「品質工学で、予備実験しないで直交表実験に進んだ結果、無駄な最適化をしてしまった話」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
機能に与える影響度が低いノイズ(誤差因子)を与えてパラメータ設計した結果、殆ど改善が出来なかった事例を紹介した。対策としては、直交表実験の前に予備実験を行い、ノイズの影響度を把握しておく必要がある。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年8月&9月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2023年8月10日(木)に2023年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:13名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「多特性の損失関数」 (顧問 岩下幸廣)
多特性の損失関数を検討した。前回の発表の様に、パラメータ設計において①T法による推定式②損失関数による最適化によって条件の最適化ができるが、品質特性などの複数の特性で最適化するためには、多特性での損失関数を使った方法が有効である。
2.「医療関連製品製造業での品質管理について」 (会社都合により発表者名は非公開)
医療関連製品製造業メーカーの品質保証担当者より、関連製品の特長、自社製品の紹介、製造方法、品質管理方法について報告。
設計から出荷後の製品管理において工業製品とは異なる部分がある中で、品質工学がどう活用できるか会員よりアドバイス・レクチャーを受けた。
3.「SN比の利得が再現したらどうする?」(顧問 常田聡)
パラメータ設計では確認実験にてSN比の利得の再現性をチェックするが、その利得の再現性の良し悪しの判断は曖昧であることを報告した。
できれば利得を品質ばらつきの改善だけでなく生産性の向上にも使い、そして、損失関数を用いて生産コストの改善効果を予測したい。
それが年間のコスト改善につながれば企業の利益増加になる。
すなわち、利得の再現性を追究することは、改善コストの再現性の追求であることを報告した。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年6月&7月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2023年6月2日(金)に2023年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:18名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「要因効果図を使って「バラツキ」と「平均値」をコントロールする(要因効果図の4つのパターン)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
SN比と感度(平均値)の要因効果図を4つのパターンに分けて、制御因子の水準を変更すると、バラツキと平均値がどのように変化するかをアニメーションで説明した。

2.「1因子実験でも交互作用の大小のチェックが可能か?(確認実験すれば交互作用をチェック出来る!でも…)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
1因子実験においても、確認実験をすることで制御因子間の交互作用をチェックすることが可能である。交互作用が小さい場合は、1因子実験と直交表実験の差は無い。しかし、交互作用が大きい場合は、直交表実験の方が(2因子間の交互作用を含んだ)「最適条件」または「それに近い条件」が求まるというメリットがある。

3.「品質の評価(2)-SN比の歴史」(常田聡)
SN比が最初に登場した1952年から、現代のSN比のベースとなった1970年代までどのように進化してきたかを報告した。
いわゆるオメガ変換を用いた電話の明瞭度からはじまって、通信のSN比を応用して求める方法や品質の比較方法、直交多項式展開を用いた測定法における一次校正のSN比などについて紹介した。
いずれも対数を取る前の値が『分散比』であることがわかり、SN比の本質を理解するのに役立ったと感じた。
次は1980年代以降、現代に至るまでのSN比について調べてまとめたい。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年4月&5月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2023年4月14日(金)に2023年度の臨時の研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
以下の4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「SN比が高くなると、ノイズ(誤差因子)に対してどうなる?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
パラメータ設計をやる前と後で、ノイズに対してどうなるのかを紹介した。パラメータ設計後は、ノイズに対して強くなるので、ロバストな状態を実現できる。

2.「MT法 生産ライン適用への検討」(太陽工業(株) 葉玉知子)
センサーデータを監視し、金型破損や摩耗などの異常検知にMT法の適用を検討している。特徴量選択の手段に遺伝的アルゴリズムを用いた際の判別能力を考察した。
特徴量に標本線を用いる場合の判断方法などアドバイスをいただいた。生産ラインでの実証検証には至っていないが作業者による判断が困難な場合の選択肢の一つとして適用できるよう実用化に向け改良していきたい。

3.「Bブレーク条件出し」(KOA(株) 守谷敏)
角形抵抗器の個片分割では、分割ベルトの選定や大まかな条件についてはL18実験で条件選定を行っている。
今回はさらに細かな条件選定をL9実験で行った。制御因子を分割機の設定条件、ノイズは分割ベルトの新旧、特性値は分割した時の不良の発生率とした。
大まかな条件設定はできていたので、不良の発生はL9のうち1つ~2つの組合せしかなかった。
そのような結果から作った要因効果図なのでV字となる因子もあったが、不良の種類別に効果図を作り、そこから最適として選んだ条件での再現実験ではよい結果が得られた。

4.「定期保全の式の検討」(顧問 岩下幸廣)
品質工学講座2などに記載されている定期保全の式は、ストレスdがd^2=a*tの変化を仮定して、最適保全時間を算出している。他のdの変化パターンに対応するため、d=a*t^bとした場合の最適保全間隔を算出した。dの変化を計測し、冪関数で近似してbを求めると、dの変化パターンに応じた最適保全間隔を求めることができる。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年2月&3月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2023年2月17日(金)に2022年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
同日の午後に開催予定の品質工学実践交流大会で事例発表するテーマについてリハーサルを兼ねた事例発表を行った。
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 2023年2月17日(金)、品質工学実践交流大会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した(参加者:32名)。内容は以下の通りである。
1)あいさつ 長野県品質工学研究会 会長 兒玉光
2)品質工学の実践事例(3件)
「平面研削加工の最適化 ~熟練金型職人VS新入社員のパラメータ設計~」((株)サンコー 中村勇人)
「直交表を用いたソフトウェアテスト(HAYST法)導入のための社内教育紹介」(日置電機(株) 兒玉光・高橋博之)
「MT法による音声判別の試み」(南信空撮 中西徹)
3)特別講演会「経済性評価によるものづくりの最適化~オンライン品質工学の適用~」(信州大学 理学部 特任教授 岩下幸廣)

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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年12月&2023年1月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2022年12月9日(金)に2022年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:15名)
以下の4つの事例発表についてディスカッションした。

【事例発表】
1.「「公差を狭めて、品質のバラツキを小さくする」それしか手段は無いのか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
「公差を狭めて、品質のバラツキを小さくする」という手段で安易にバラツキ改善しがちだが、コストが高くなるという欠点がある。この他に、設計条件や製造条件のパラメータを振ってバラツキを改善するという手段があり、コストアップせずに対処可能であることを説明した。

2.「T法の「推定値を求める」という機能を使って要因効果図を描く」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
T法の「推定値を求める」という機能を使って要因効果図を描く方法について説明した。試行錯誤のデータから簡単に要因効果図を作成することが可能である。

3.「T法はなぜ1/β、ηでの重みづけか?」(信州大学 岩下幸廣)
T法の特徴は、予測係数はX=βYとして計算し、Y=1/βXからYを推定する事にある。1/βは、Y=αXとして、α(補正)をα/相関係数の二乗として計算すると理解しやすい。また、各因子の重みづけとしてSN比ηを使用するが、相関係数の二乗(寄与率)を使っても計算可能である。説明変数の寄与率での重みづけと考えると理解しやすい。

3.付録「感染拡大の原因」(信州大学 岩下幸廣)
最近、厚労省から県別の抗体余裕率が発表され、最近の感染者は保有率の少ない地域に感染しているとの解説がされている。相関分析、T法での推定から、感染者数は気温と強い関係があり、抗体保有率は大きな要因でない事が分かった。夏は気温の高い地域で空調が使われ、冬は寒い地域で空調が早い時期から使われると考えると、夏の感染拡大、最近の冬の感染拡大は空調が原因と考えるのが妥当と思われる。

4.「絞り加工の直交表実験における水準について質問」((株)サンコー 中増光宏)
絞り加工のプレス金型におけるダイRの最適化を目的とした直交表実験の結果から、因子と水準の選択について考察した。また、直交表から任意の実験のみを選択して描いた要因効果図の意味について考察した。発表後の質疑応答で、今回の例ではスライド水準を取るべきなど、具体的なアドバイスを多数いただいた。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年10月&11月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2022年10月14日(金)に2022年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「貝探しは、解探し」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
潮干狩りの「貝探し」を題材に、1因子実験と総当たり実験と直交表実験の違いについて説明した。制御因子間の交互作用の大小によらず、直交表を活用することにより、効率的に良い条件を見つけ出すことが可能となる。
2.「ワイブル分布を使用した点検保全」 (信州大学 岩下幸廣)
保全における定期点検は、摩耗故障の故障確率の少ない使用初期も長期使用後の故障確率の高い時期も等間隔で点検をするが、故障確率に応じて点検頻度を増やす方が合理的である。そこで、「損失=点検コスト+修理コスト+故障損失」が最小になる条件を、ワイブル分布を用いて算出する方法を検討した。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年8月&9月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2022年8月10日(水)に2022年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:17名)
以下に示す4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「生産マシンの不具合改善(その2)」(伊藤哲也)
“生産マシンの不具合改善へのMT法適用事例”の活動状況を聞いて頂き、皆様から下記のようなアドバイス頂けた。
・“判別不可”となった前回からは大きく進歩し“判別可能ではないか”
・もう一歩踏み込んで原因分析を実施してみてはどうか?
今回、皆様から頂いたアドバイスを元に、活動を継続し、MT法について理解を深めてゆきたいと思います。
2.「フィードバック制御の式について」(信州大学 岩下幸廣)
オンラインQEのフィードバック制御の考え方を検討した。適用に際しては、u=λD^2の検討が必要である。また、点検での計測値をフィードバック制御に反映させると、点検回数を1回にできる可能性がある。
3.「「品質工学は、2段階設計です」と説明するのはヤメよう」((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学は2段階設計と言われるが、従来型の開発手法も順番が異なるだけで2段階設計である。品質工学が従来型と異なるのは、バラツキと平均値を同時に(1段階で)実験/評価する点にある。品質工学を正確に説明することが、普及を進める上で重要である。
4.「直交表と分散分析」シナノケンシ(株)辻氏
L8直交表実験結果を分散分析して、寄与率を求めてみた。
YKK社と同様に寄与率を取り入れようとしたが、結局欲しいのは、因子のどの水準が良いかであり、要因効果図だけで十分ではないかという意見が出た。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年6月&7月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2022年6月10日(金)に2022年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:13名(うち事務局2名))
以下に示す事例発表についてディスカッションした。また、会員各社の出張でのコロナ対応について、ざっくばらんにディスカッションした。
【事例発表】
品質工学(パラメータ設計)のYHKとは」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
パラメータ設計で大切なYHKについて説明した。
Y:予備実験→各ノイズの影響度合いをチェック&繰り返しのバラツキをチェック
H:本実験(直交表実験)→各制御因子の効果をチェック&全ての2因子間の組合せをチェック
K:確認実験→要因効果図の信頼性をチェック

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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年4月&5月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2022年4月8日(木)に2022年度の臨時研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:10名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MT法の最適化(2)」 (信州大学 岩下幸廣)
MT法において、判別精度を上げるための方法を検討した。基準の逆行列を計算後、NGデータと基準のマハラノビス距離を比較して、①項目の重みづけを行う ②相関行列の最適化を行う ことによって、判別精度を上げられることが分かった。項目数が多い場合②では変数が多くなるので、①の方が実用的と考える。前回発表の平均化法と今回の方法(最適化法)を組み合わせると、MT法の適用範囲が広がる事が期待できる。
2.「品質工学のおける遺伝的アルゴリズムの活用」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
遺伝的アルゴリズムを品質工学にどう活用するかについて検討した。MTシステムにおける項目選択や1Dシミュレーションにおけるパラメータ設計での活用が期待される。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2022年2月&3月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2022年2月10日(木)に2021年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:15名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学で直交表の実験をやると、なぜ確実にアウトプット(成果)が出るのだろうか?(第2報)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
L9直交表で使った場合、2因子間の組合せは1組しか出現しない。4つの制御因子の内、ある2因子間の組合せが「最適」で、残りの2因子間の組合せが「最悪」だった場合がたまたま同一行に出現すると、「最適」と「最悪」が打ち消しあってしまうことになる。しかし、L18直交表では、2因子間の組合せが2組出現するため、上記のような可能性は低くなる。よって、L9直交表よりはL18直交表のモアベターである。
2.「絞り加工に適したプレスモーションの選定」 ((株)サンコー 井上貴裕)
絞り加工を行う際のプレスモーションの最適化にパラメータ設計を活用した事例を報告。
絞り加工における板厚減少量が小さくなるモーションを良いモーションと定義し、望小特性のSN比で評価。得られた最適条件と現行条件で実際に加工を行い比較したところ板厚減少量に大きな改善が見られた。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年12月&2022年1月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2021年12月10日(金)に2021年度の第8回研究会をオンライン(Webex)にて開催した(参加者:9名+事務局2名、見学1名)。
以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「安全係数についての考察」 (信州大学 岩下幸廣)
完全係数の計算値は部品メーカーの立場では実感より大きすぎるように感じる。部品損失が部品σに対して望大特性を示すと考え、オンライン品質工学の最適化手法を使うと、実感に合った結果が得られた。
2.「絞り加工に適したプレスモーションの選定」 ((株)サンコー 井上貴裕)
絞り加工を行う際のプレスモーションの最適化にパラメータ設計を活用した事例を報告した。
今回は製品寸法の一部を特性値として評価したが、その他の製品寸法を同時に評価する方法について、いくつかアドバイスをいただいた。
また、事前の誤差因子の検討が不十分であり、再現性が得られない可能性があるという指摘をいただいた。
3.「MT法の波形解析における標本線を最適化する方法」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
標本線を最適化する方法としては、2水準系の直交表に「採用する/しない」を割り付けて解析を行うのがベーシックな方法である。しかし、水準間に交互作用が大きい場合では、信頼度の高い結果を得ることができないという問題がある。GA法で標本線を最適化した場合は、水準間に交互さようが大きい場合でも、最適に近い結果を得ることが可能であるというメリットがある。
また、望大特性のSN比を用いて2水準系の直交表で評価する場合の問題点も指摘した。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年10月&11月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2021年10月8日(金)に2021年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:1名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「感染シミュレーションの方法」 (信州大学 岩下幸廣)
新型コロナウィルスの感染予測シミュレーション方法の検討内容と結果を報告した。ロジスティックモデルでほぼ感染状況の説明ができ、予測も可能であるので、事前対策に役立つだけでなく、安心感も得られる。また、同モデルは商品寿命の予測にも活用できる。
2.「金型潤滑のパラメータ設計」(株式会社サンコー 中増光宏)
プレス加工の金型で加工油を効果的に潤滑させる構造を、加工荷重を特性値としたパラメータ設計で検討したが、納得できる結果が得られなかったことを報告した。会員から、制御因子の一部再検討、誤差因子に金型摩耗状態を追加すべき、など多数の意見が出た。これらを参考に再実験を計画する。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年8月&9月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2021年8月10日(火)に2021年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:2名+事務局2名、オンライン参加者:5名)
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学で直交表の実験をやると、なぜ確実にアウトプット(成果)が出るのだろうか?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学で直交表を使うと、なぜか確実にアウトプット(成果)が出る。例えば、2因子間の組合せで、最適な組合せ【B3・D2】があったとすると、その組合せを発見できる確率は、直交表の実験では100%、1因子実験では33.3% 56%である。直交表は全ての2因子間の組合せを網羅しているので、漏れ無く実験ができるメリットがあるのだ。また、実験回数を比較すると、1因子実験より直交表実験の方が実験回数が少ないというメリットもある。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年6月&7月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2021年6月4日(金)に2021年度の第2回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:7名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「L18直交表の半分実施の問題点は?」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
L18直交表を半分実施した時点で作成した要因効果図の真偽について紹介した。全行(18行分)実施した要因効果図と比較すると、傾向が一致する制御因子もあるが、そうでない制御因子もある。よって、あくまでも目安として見る分には良いが、全行をやり切ることが大切である。
2.「オンラインQE適用事例の紹介」 (信州大学 岩下幸廣)
技術開発の検討過程についてオンライン品質工学を適用して考察した。成果があがりにくい開発初期段階の課題と、開発を終了する時期の判断が把握でき、開発の効率化や開発マネージメントの方向付けの検討が可能となる。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年4月&5月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2021年4月15日(木)に2020年度の臨時研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:4名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「制御因子間の交互作用について(我々は何故「制御因子間の交互作用の大小」を根拠とした説明を信じてしまったのか?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
関西品質工学研究会の芝野氏の講演をきっかけに、交互作用について研究会で議論することになった。その叩き台として、増田が資料を作成し、ディスカッションした。制御因子間の交互作用とは何か?なぜ交互作用が大きいと悪なのか?本当に悪なのか?を議論した。ノイズの話と制御因子のスケールアップの話を別々に考えることで、品質工学における上流と下流の考え方の真相が見えてきた。スケールアップするのではなく、スケールインすることで、テストピースの結果を実機に反映できることが分かってきた。また、「テストピース」という言葉の定義を明確にしないと、誤解を生じさせることになるので、これも気を付けなければならない。
2.「相談:T法で交互作用の検証ができるのか?」 (日置電機(株) 兒玉光)
従来、品質工学では直交実験の結果から要因効果図を作成し、再現実験をおこなったうえで利得の確認をおこなう。
その際に、利得が再現せずに最適解をあきらめるようなケースでは、実際に行った実験結果以外の最適解の探索を断念することになる。
一方、重回帰分析等の分野においては、比較的簡単に交互作用を検出する工夫が行われている。
今回以下の提案をおこない、意見をいただいた。
①T法においても交互作用項を設けて交互作用の検出ができないか?
②①が可能である場合、直交実験結果をT法で解析することで、
交互作用項を含めた要因効果図を作成することができないか?


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長野県品質工学研究会の活動報告(2021年2月&3月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2021年2月7日(日)、4県品質工学合同研究会をオンライン(主催は北陸)にて開催した。(オンライン参加者:38名)
 合同研究会とは、QEF埼玉(埼玉)、北陸品質工学研究会(富山、石川、福井)、山梨県品質工学研究会(山梨)、長野県品質工学研究会(長野)の合計4地区の地方研究会が、年1回各研究会持ち回りで開催しているイベントである。今回の合同研究会の内容については、北陸品質工学研究会から詳しい内容の報告があると思うが、「事例研究」や「フリー討論(研究会の活性化策など)」など非常に充実した内容であった。なお、2021年は埼玉、2022年は山梨での開催を予定している。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2020年12月&2021年1月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2020年12月11日(金)に2020年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
以下に示す2つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「プレス成形CAEの精度向上」((株)サンコー 中増光宏)
パラメータ設計を用いて、プレス成形後形状のCAE予測精度を向上させようと試みた。CAEの結果に影響を与えるであろう項目を制御因子、測定箇所を誤差因子と考え、実機とCAEの乖離量を望小特性のSN比として評価した。最適条件SN比は現行条件SN比と比較し十分な向上が得られた。また実際の外形線比較でも現行条件より実機に近いと体感できる結果が得られた。パラメータ設計はCAE予測精度を効率的に向上させる手段としても有効と考えられる。
2.「ねじ脱落不具合の原因調査と対策確認への『実験計画法』『機能性評価』の活用」(日置電機(株) 兒玉光)
ねじ脱落不具合の事例をもちいて、原因調査の段階から、対策効果の確認の機能性評価を意識して実験を計画することで、原因調査から対策効果をスムーズに実施できるのではないかという提案をおこなった。
発表後のディスカッションでは、実験方法の指摘や、因子の扱い方などについてアドバイスをいただいた。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2020年10月&11月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2020年10月9日(金)に2020年度の総会および第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(会場参加者:3名+事務局2名、オンライン参加者:6名)
【総会】
2020度の事業報告および2019年度の事業計画が承認された。今年度は会費徴収をしないこと、ウェブ会議用にウェブカメラを購入することなどが決議された。
以下に示す1つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「オンラインQEの決定分析への適用」 (信州大学 岩下幸廣)
多数の案から最適案を選択する場合、従来はKT法などが使用されています。決定分析にOn-Line品質工学の考え方を適用して最適案を検討する方法を提案し、コロナウィルス対策などを例に参加者で議論した。

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長野県品質工学研究会の活動報告(2020年8月&9月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2020年8月7日(金)に2020年度の第4回研究会をオンライン(Webex)で開催したにて開催した。以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「SN比を使わない推定(T法)」 (KOA(株) 守谷敏)
以前,T法による会社の売上予測の報告を行ったが,SN比ηを使わない方法を検討した。
真値と項目値の比例関係が高いと値がよく,比例関係が低いと値が悪くなるものとして決定係数R^2を取り上げた。結果は,ηを使う場合とほぼ同じような推定精度であった。
また,項目選択する場合は,R^2<0.36(R<0.6)は推定に使わないなどのように,項目選択の判断が行いやすい利点がある。ηを使う方法に比べて優れているわけではないが,推定値を求める一つの方法として使うことができる。
2.「多次元MT法で解析してみよう」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
MT法において、正常品のサンプル数が項目数よりも少ない場合の工夫について紹介した。
3.「新型コロナウィルスの感染シミュレーション(4回目)」 (信州大学 岩下幸廣)
新型コロナウィルス感染予測について、その後のデータで前回発表の検証、補足を行った

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長野県品質工学研究会の活動報告(2020年6月&7月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2020年6月5日(金)に2020年度の第2回研究会をオンライン(Webex)で開催したにて開催した(参加者:11名)。以下に示す事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「SN比の改善は非線形の効果だけではない(線形だってSN比を改善できる)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
非線形の改善でSN比を改善できる説明があるが、この説明だとノイズを設定する必要性が理解しにくい。そこで、線形な特性においてもSN比を改善できることを説明し、ノイズを設定する大切さについてディスカッションした。

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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2020年8月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2020年4月10日(金)に2020年度の第11回研究会をZoomミーティングにてオンラインで開催した(参加者:12名)。以下に示す事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「コロナウィルス拡散予測」(信州大学 岩下幸廣)
ホットな話題のコロナウィルスの感染拡大について、ロジスティックモデル、ゴンぺルツモデルを用いて予測を行った。中国、イタリア、スペイン等、海外での感染拡大は、ゴンぺルツモデルが当てはまり、今後の感染拡大が予測できた。一方、日本での感染拡大は、3月中旬以降は指数関数より拡散速度が大きく、感染爆発との結果になった。予測が外れ、緊急事態宣言などが大きな効果を発揮することを期待したい。

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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2020年6月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2020年2月7日(金)に2019年度の第10回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した(参加者:8名)。以下に示す4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「パラメータ設計を用いた高級食パンのレシピの最適化」(日本電産(株) 塚本ちさと)
2月14日開催の品質工学実践交流大会の発表資料 『パラメータ設計を用いた高級食パンのレシピの最適化』について、改善案や意見などをもらった。
2.「コンセプト審査法による市販酒評価(第3報)データのT法による解析」 (KOA(株) 守谷敏)
長野県工業技術総合センター食品技術部門から、お酒の香り、味、甘辛、熟度、総合の官能評価点と機器分析データが報告されている。そこで、T法を用いて機器分析データから官能評価点が推定できるか、ηによる重み付けからどの成分が効いているのかを解析してみた。各官能評価点(真値)に対して、相関係数0.88〜0.96で推定でき、また評価項目ごとに効いている成分を求めることができた。
3.「T法による会社の売上げ推定」(KOA(株)守谷敏)
以前に、会社の売上と各種産業界の生産数や販売額をT法によって解析した。今回は、推定する年数を細かく区切り、ηによる重み付けから、売上と相関の高い(売上に効いている)業界がどのように変わってきたのかを調べた。この解析結果を、これからの経営戦略に生かすことを考えている。
4.「金属プレス特殊加工の最適条件 T法編」 ((株)サンコー 中増光宏)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計結果をT法で解析。直径が小さな穴と大きな穴の実験結果から、それらの中間に位置する穴径の実験結果を予測。

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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2020年4月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2019年12月13日(金)に2019年度の第8回研究会を長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門(長野県松本市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および特別講演を行った。
【事例発表】
1.「オンラインQEでのフィードバック制御の考察」 (信州大学 岩下幸廣)
保全における品質工学について劣化の状態を考慮した計算方法を検討し、定期保全、予防保全についての適用事例を報告した。その後内容について議論を行い理解を深めた。
2.「直交表と機械学習によるパラメーター最適化」 (日置電機(株) 小林昌史)
直交表を使ったデータ取得と、機械学習によるモデル化およびパラメーター最適化について報告した。品質工学の良い所を取り入れつつ、コンピューターパワーを利用してより良い設計値を探すという取り組みである。例えば、高次の多項式を使ったモデル化では、データが疎な部分においてフィッティングが極端な振る舞いを示す傾向があるが、直交表を使うことで、疎密の偏りのないデータ取得を行うことができる。研究会メンバーより、他社事例の紹介や、高次変数でのフィッティングなどについて、 様々な意見をいただいた。現在の取組について、アドバイスをいただける場所として品質工学研究会は非常に貴重な存在であると考えている。
3.「金属プレス特殊加工の最適条件」((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計。これまで一応の結果を得ている形状とは異なる形状で同様の実験を行い比較結果を報告。動特性として考える、T法で解析する、などの意見を得る。しかし2実験はそれぞれ独立していると考えるべきかもしれず、さらに検証が必要。
【特別講演】
「環境・情報技術部門におけるIoT及びMTシステムの取り組み紹介」
(長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門 情報システム部 西田崇)
長野県は県内中小製造業の生産現場におけるAI-IoTの利活用を促進するため、IoTデバイス事業化促進事業を実施している。具体的にはAI活用/IoTデバイス事業化・開発センターの開設や生産現場IoT技術研究会の開催、生産現場で低コストにIoT構築ができるセンターIoTキットの貸与等を行っている。また、AI技術にはMTシステムも活用している。それらの取組みについて紹介した。

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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2020年2月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2019年10月11日(金)に2019年度の第6回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「信州発!”信”SN比の提案」 (KOA(株) 守谷敏)
ゼロ点比例、標準SN比、エネルギー比型などいろいろなSN比があり、どれを使うべきか悩んでしまう。また、セミナーにおいても初心者が理解できるように腐心しているが、これもなかなか難しい。そこで、タグチの考えのまま、簡単で使いやすくしたSN比を提案した。11月の4県合同研究会で議論する予定である。
2.「新MT法の提案」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
従来のMT法の欠点を補う方法を考案した。その結果、判別精度を向上させることが可能となった。また、単位空間のサンプル数が項目数よりも少ない場合でも適用できるため、より汎用性がある。
3.「金属プレス特殊加工の最適条件」((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求めるパラメータ設計の結果を報告し協議した。望目特性としてではなく望小特性として解析すべきではないかとの指摘あり。次回を待たずに会員間にデータを展開し、意見を求める。
【共通テーマ】
「小型PCによるMTシステム実験」
新たな共通テーマとして、「オンライン異常診断のシステム開発」を行う。このテーマは、製造現場の装置の異常診断などにMTシステムを活用するにあたり、オンラインで異常判定が可能なシステムを、安価な小型PCとセンサーで作ることを目標としている。今後、取り組む事例を決め、共通テーマとして活動する。

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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2019年12月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2019年8月9日(金)に2019年度第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「LabVIEWを用いた品質工学手法のプログラミング」((有)増田技術事務所 増田雪也)
グラフィカルプログラミング言語「LabVIEW」を用いて、品質工学手法(MT法、T法、パラメータ設計)をプログラミングした。特にMTシステムでは、自分でプログラミングすることによる気付きが多く、新たな解析手法のヒントが得られるメリットがある。
2.「品質工学Excelマクロの簡単な紹介」 ((株)日本電産サンキョー 中西徹)
品質工学の数理は初心者には難解な事が多く、敷居を高くしてしまっている。そこで、社内で標準インストールされているExcelを使って解析出来るマクロツールを準備した。利用者の使いやすさ、データを可視化する事による異常値の早期発見を第一に考えた。本ツールを社内講習時に使ってもらう事で、計算している内容に興味を持つ技術者も増えてきた。初心者には、算術的な教育から入るのでは無く、身近に触れてもらうツールを準備する事でQEの普及にも効果があると実感した。
3.「MT法とT法による予測式」 (信州大学 岩下幸廣)
T法を工夫して、非線形データの予測への適用が行われている。新たな方法として、MT法とT法を組み合わせる方法を提案し、参加者で議論を行った。
4.「パラメータ設計の進め方」 (日本電産(株) 塚本ちさと)
社内の品質工学を知らない人と一緒にパラメータ設計をする事が多くなったので、パラメータ設計の進め方をフロー図にした。研究会メンバーにフロー図について忌憚なき意見をもらった。「相談者などの一般人向け」と、「社内QE研究会参加メンバー向け」に分けて考える事が必用。まずは「社内QE研究会参加メンバー向け」の資料として考え、フロー図の見直しを実施する。
5.「金属プレス特殊加工の最適条件」 ((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレス特殊加工の最適条件を求める実験について報告し、結果処理の方法についてアドバイスを受けた。ひとつの実験値が他の実験値の傾向と違っていることについて、この実験値を除く他の実験値からT法で推定値を作成し比較する、など。

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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2019年10月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2019年6月14日(金)に2019年度第2回研究会を塩尻インキュベーションプラザ(長野県塩尻市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「実験計画法について」 ((株)サンコー 井上貴裕)
金属プレスの穴あけ加工時にせん断を長くする最適条件を,L9直交表による実験で求めた。発表後のディスカッションで,使用した因子に金型の摩耗を意味するものが含まれており,それをノイズとすれば,生産を考慮した品質工学的アプローチに路線変更可能とのアドバイスを受けた。
2.「2018年度 NT/C品質工学活動報告」 (日本電産(株) 三宅拓郎)
品質工学に関する、昨年度の社内での活動状況を報告した。また活動の1事例として、接着剤塗布量のばらつき改善の評価結果について報告した。過去の評価、経験等から影響がありそうなパラメータを抽出し、L8直交表を用いて影響度を確認した。結果、塗布機の違いが最もばらつきに影響することが判明した。研究会メンバーより、次のステップとして、塗布機自体に注目してパラメータ設計を実施、改善を進めてはどうか、また今回は塗布量一定の静特性として評価しているが、塗布量を変更して、動特性として評価するのもよい等、貴重な意見をいただいた。いただいた意見を参考に、内部での活動に反映していく。
3.「T法を用いたソフト評価時間予測 進捗報告」 (日置電機(株) 高橋博之)
T法によるソフト評価時間予測ついて、一定の効果が得られる見通しがついたため、社内での運用を開始した。ソースコードを流用して開発したソフトの見積りについて、流用の度合により、誤差が大きくなる懸念がある旨、相談させていただいたところ、現行の全ソース行数の他に、流用したコード行数の情報を付加する方法を提案いただいた。今後、社内の仕組みへ展開する。

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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2019年8月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2019年5月10日(金)、本年度の総会および第1回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。
【総会】
平成30度の事業報告および令和元年度の事業計画が承認された。本年度の会員数は12(正会員:8、特別会員:4)である。開催日程は全11回を予定している。活動内容は、「事例発表(会員の持ち回り)」、「共通テーマのディスカッション」、「合同研究会」および「特別講演会」である。
【品質工学活動状況報告会】
新規加入検討企業4社が第1回研究会を見学した。研究会の様子や会員企業の品質工学の実践内容について、各会員が以下に示す紹介発表を行った。品質工学普及の苦労話や工夫など、気軽な雰囲気で紹介することができ、大変良かったと感じた。
・「タカノにおける品質工学の活用事例」タカノ(株) 中原健司
・「品質工学にまつわる話題提供」(有)増田技術事務所 増田雪也
・「日本電産(株)長野技術開発センターにおける品質工学活動」日本電産(株) 塚本ちさと
・「T法による特性値の推定」KOA(株) 守谷敏
・「日置電機の品質工学取組紹介」日置電機(株) 兒玉光
・「実用的なバーチャル評価方法の検討」日精樹脂工業(株) 常田聡
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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