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長野県品質工学研究会の活動報告(2023年12月&2024年1月) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

※長野県品質工学研究会の公式ブログより転載(http://nqes.web5.jp/blog/
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長野県品質工学研究会
 2023年12月2日(土)に第20回4県品質工学合同研究会(埼玉・北陸・山梨・長野)をテクノプラザ岡谷(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。21名(埼玉1名、北陸3名、山梨4名、長野13名)の参加者が集まった。合同研究会の内容は、以下の通りである。
【各県研究会の近況報告】:参加各県の研究会の活動が報告された。
【各県の事例発表】
・パラメータ設計での推定式の活用(長野県品質工学研究会 岩下氏)
・わかりやすい品質工学の考え方(北陸品質工学研究会 林氏)
・旋削加工の技術開発(品質工学フォーラム埼玉 鷺谷 氏)
・パラメータ設計の社内実習(山梨県品質工学研究会 古江氏)
【討論:ツールとしての品質工学】:何をやれば、品質工学をツールとして使える様になるのか?単純に、社内教育し、実践し、その成果を発表しても、思うように普及しない。では次の手は何なのか?についてディスカッションした

 2024年1月12日(金)に2023年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:12名)
以下の3つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「品質工学の○○という考え方は正しいのか?(それ鵜呑みにしてませんか?)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
品質工学のある基本的な考え方「制御因子間の交互作用が大きい場合、そのシステム(技術)は不安定だから使えない」について検討した。この考え方は、「タグチ氏がそう言っている」という説明がされるのみで、根拠が明確に示されていないという大きな問題点があり、品質工学を普及する上での弊害となっている。この考え方の根拠を考えてみたが、根拠を導くことは出来なかった。制御因子とノイズの区別がついていないことが原因で、間違った考え方になってしまっているという結論に至った。

2.「交互作用考慮の方法」 (顧問 岩下幸廣)
回帰分析、T法の推定式での交互作用を考慮した計算方法を検討した。2項での交互作用の場合、説明変数xi、xjの積xi*xjを交互作用の説明変数としてもある程度の推定ができるが、それぞれの説明変数を標準化(x-Av)/σして、その差の絶対値を説明変数にした方がより優れていることが分かった。

3.「ηを計算しないT法の方法」(顧問 岩下幸廣)
T法では、それぞれの説明変数について、βとηを計算し、1/β*ηiΣηを係数として足し合わせて推定式としている。今回は、βを計算し、データと推定式ができるだけ一致する様に最小二乗法で重みづけをする方法を検討した。この方法は、データと相関の高い推定式が得られるだけでなく計算が簡単であり、より実用的な方法である。
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