要因効果図の見方 [【YouTube】]
何の疑問も無く普通に使っている要因効果図。
しかし、要因効果図の縦軸は、実は相対値なんです。
今回は、その要因効果図の見方について解説します。
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直交表実験をすると、このような要因効果図を作成することが出来ます。
横軸は、「制御因子」と呼ばれるもので、設計パラメータや製造パラメータです。
※「直交表実験で最適化したい因子」ということです。
縦軸は、評価指標となります。
例えば、SN比とか感度とか出力平均とかになります。
『寸法Aを「5」にすると、SN比は41dbになる』
ということを示していると思いがちなのですが、
実は、寸法Aを「5」にして実験してみると、SN比は41dbにはなりません。
エッ?!
同様に
『寸法Aを「9」にすると、SN比は45dbになる』
ということを示していると思いがちなのですが、
実は、寸法Aを「9」にして実験してみると、SN比は45dbにはなりません。
エッ?!
なぜそうならないかというと、
理由は「その他の寸法(B〜D)によって、SN比は変わってしまうから」なのです。
それは、どういうことでしょうか?
例えば、
寸法Bを「20」にした際は、寸法Aの要因効果図の縦軸は、左下のようになります。
上の要因効果図の縦軸とは、SN比の値が異なっていることが分かります。
※45db→46dbに変わっています。
※41db→42dbに変わっています。
同様に
寸法Bを「30」にした際は、寸法Aの要因効果図の縦軸は、右下のようになります。
上の要因効果図の縦軸とは、SN比の値が異なっていることが分かります。
※45db→44dbに変わっています。
※41db→40dbに変わっています。
なぜ、このように縦軸の値が変わってしまうのでしょうか?
実は、要因効果図の縦軸は「相対値」なんです。
「相対値」というのは、2つ以上のものを比較して、「どちらがどれだけ高いか/低いか」に意味がある、ということです。
この場合で言うと、寸法Aは、「5」と「9」を比較すると、SN比は「4db(45db-41db)」の差がある、ということを示しているのです。
要因効果図の縦軸を、親切な表現に変えてみると、下の要因効果図のようになります。
縦軸は「SN比の相対値」となります。
縦軸の値は、真ん中が【0】、上が【+2db】、下が【ー2db】という表現になり、とても分かりやすくなります。
では、要因効果図の縦軸の「45」とか「43」とか「41」という数値は、何を意味しているのでしょうか?
例えば、L9直交表の実験をしたとします。
9通りの条件で実験をして、9つのSN比を得ることが出来ます。
この9つのSN比の平均値は、「43db」でした。
この「43db」が、要因効果図の縦軸の真ん中の値になるのです。
まとめます。
「要因効果図の縦軸は、相対値である」
要因効果図は、
【縦軸の差が大きい】=【その因子が効いている】
ということを表しています。
よって、この場合で言えば、「寸法A」が【(SN比には)一番効いている】ということになります。
一方、「寸法C」は【(SN比には)全く効いていない】ということになります。
要因効果図の作り方は、こちらの記事をご覧下さい。
「要因効果図を使って「バラツキ」と「平均値」をコントロールする」は、こちらの記事をご覧下さい。
2022-12-26 10:56