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(4)利得の再現性は、悪くてもOK [【その他の品質工学関連】]

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利得の再現性を良くすることが、品質工学の目的ではありません。

利得の再現性を悪化させる原因は、以下の2つです
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【制御因子間の交互作用が大きい】
【繰り返しのバラツキが大きい】
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【制御因子間の交互作用が大きい】

交互作用の大小を決めるのは神様です。
だから、自分の開発テーマにおいて、交互作用が大きかったとしても、自分を責めないで下さい。

基本機能を適切に設定すれば、
交互作用を小さくできるケースもありますが、小さくできないケースもあります。
従って、「基本機能の設定」と「交互作用の大小」を結びつけて考えるのはやめましょう。

また、基本機能を適切に設定することに拘り、基本機能を試行錯誤していると、開発がどんどん遅れます。
基本機能に拘って(制御因子間の交互作用に拘って)右往左往するよりも、
基本機能はアバウトでいいので素早く設定し、
利得の再現性(制御因子間の交互作用の大小)は悪くてもOKと割り切り、
早く実験をスタートすれば、
早く結果(いい条件を求める)が得られます。
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【繰り返しのバラツキが大きい】

繰り返しのバラツキが大きいと、品質工学による開発は失敗します。
これが唯一の「品質工学の失敗」と言ってもいいでしょう(※品質工学以外の手法でも失敗すると思います)
従って、直交表実験をする前に、必ず繰り返しのバラツキの大きさをチェックする必要があります。
これは非常に重要です。
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利得の再現性が悪かった場合はどうするか?

L18直交表実験の18条件の中で、一番良かった条件を「暫定最適条件」として採用します。
「暫定最適条件」が、現行条件よりも良ければ、製品化しても全く問題ありません。

利得の再現性が悪い原因は、「制御因子間の交互作用が大きい」からです。
しかし、制御因子間の交互作用が大きかったとしても、SN比が高ければ、それは安定した条件ということですので、「暫定最適条件」を製品化しても全く問題ありません。
なぜなら、安定性(ロバスト性)の尺度はSN比だからです。

「制御因子間の交互作用の大小」は、安定性(ロバスト性)の尺度ではありません。
「制御因子間の交互作用が大きい」という理由で、開発の対象としたシステムを諦めるのは、明らかに間違いです。

●利得の再現性は気にせず、「暫定最適条件」で早く結果(いい条件を求める)を出そう!
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