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品質工学では交互作用の扱いがダブルスタンダードな件について(交互作用は、悪か?良か?) [【その他の品質工学関連】]

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品質工学では交互作用の扱いがダブルスタンダードな件について
(交互作用は、悪か?良か?)

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交互作用について述べます。

左側から説明します。
「制御因子」と「制御因子」の交互作用は、
制御因子Aと制御因子Bで総当たりで実験し、グラフにプロットすると、このようになります。
制御因子B1では、制御因子Aの傾向は右肩下がりになるのに、
制御因子B2では、制御因子Aの傾向は右肩上がりになっています。
よって、「交互作用は大きい」となります。

右側を説明します。
「制御因子」と「ノイズ」の交互作用は、
制御因子AとノイズNで総当たりで実験し、グラフにプロットすると、このようになります。
ノイズN1(高温)では、制御因子Aの傾向は右肩下がりになるのに、
ノイズN2(低温)では、制御因子Aの傾向は右肩上がりになっています。
よって、「交互作用は大きい」となります。

右と左、どちらの場合も交互作用は大きいです。

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左側の「制御因子」と「制御因子」の交互作用は、
このように交互作用が大きい場合は、「下流(市場)で不安定なシステムなので、選択すべきではない」と品質工学の教科書では言われています。
こちらの交互作用は、品質工学では【悪】なのです。

一方、右側の「制御因子」と「ノイズ」の交互作用は、
制御因子A2の方がバラツキが小さくなっているので、ノイズによる影響を受けにくい(つまり、SN比が高い)ということです。
従って、A2を選べば「下流(市場)で安定システムなので、選択すべき」と品質工学の教科書では言われています。
こちらの交互作用は、品質工学では【良】なのです。

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どちらも「交互作用が大きい」のに、品質工学ではどうして扱いが【悪】と【良】で変わるのでしょう?
交互作用の扱いがダブルスタンダードになっています。
こういうダブルスタンダード的な考え方は、世の中で受け入れてもらえません。

「交互作用が大きいと下流で不安定」という考え方が正しければ、「制御因子とノイズの交互作用が大きい場合も不安定」ということになるはずです。

しかし品質工学では、制御因子とノイズの交互作用を利用してSN比を向上させています。
つまり、制御因子とノイズの交互作用が大きければ、SN比を改善でき、システムは安定になるのです。
両者、矛盾していますよね。

私は、
「交互作用が大きいと下流で不安定」という考え方が間違っていると思います。
教科書通りの品質工学に強烈な違和感を感じるのは、正にこの考え方です。
安定か不安定かは、SN比で評価すべきです。
交互作用は関係ありません。

反論や異論は、ぜひご自身のホームページやブログ等でご紹介下さい。
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