SSブログ

品質工学(パラメータ設計)初心者セミナー(1.5日)の紹介 [コンサルティング業務のご案内]

ssseminardouga.001.jpeg
品質工学(パラメータ設計)初心者セミナー(1.5日)の紹介をします。

konodougahayoutubedemo.jpg
このブログ記事は、YouTubeの動画でもご覧いただけます。



ssseminardouga.002.jpeg
弊社のコンサルティングの概要です。
先ずは、初心者セミナー(1.5日)を受講した後、月1回の割合で定期相談会を合計7回開催します。
これが1セットのコンサルティングになります。

それではこれから、初心者セミナー(1.5日)の内容を紹介します。


ssseminardouga.003.jpeg
初心者セミナー(パラメータ設計)の内容は、以下の全5章です。
----------------------
・第1章「品質工学の基本的な考え方」
・第2章「入力と出力」
・第3章「実施マニュアル」
・第4章「専用解析ファイルの使い方」
・第5章「標準SN比・望目特性のSN比」
----------------------
各章の内容をザッと紹介します。


ssseminardouga.004.jpeg
第1章「品質工学の基本的な考え方」では、
【ノイズ】【直交表】【品質工学の手順】の概要を説明します。
また、ノイズ(誤差因子)を設定する演習も行います。

それでは、セミナーの一部を少しだけ紹介します。


ssseminardouga.005.jpeg
市場や工場で発生する品質トラブルの原因は、4つのノイズです。
1つ目は、「劣化」
2つ目は、「環境」
3つ目は、「材料や部品や加工条件のバラツキ」
4つ目は、「使われ方(顧客の使い方)」


ssseminardouga.006.jpeg
8つの事例(ハサミ、洗濯ばさみ、…)で、これら4つのノイズについて説明します。


ssseminardouga.007.jpeg
ノイズ「劣化」について、ハサミを用いて説明します。
「劣化」の代表的なものとして【摩耗】があります。
ハサミの刃をイメージしましょう。

新品のハサミは、刃が鋭利ですので、切れ味は良好です。
しかし、1000回チョキチョキと切った後だと、刃が摩耗してきますので、切れ味が悪くなります。

切れ味が悪いと顧客は『このハサミ、切れ味が悪いよ!』と文句を言います。
ということで、「切れ味悪化」という品質トラブルが発生します。
このトラブルの原因は、ノイズ「劣化」です。

というような説明を8つの事例で説明します。


ssseminardouga.008.jpeg
次にノイズを設定する演習です。

扇風機を例に取り上げます。
今、市場で扇風機に品質トラブルが発生しました。
どんなトラブルかというと、
----------------------
・(使っているうちに段々と)回転数が遅くなってきた!
・(使っているうちに段々と)回転数が速くなってきて怖い!
・(使っているうちに)全く動かなくなってしまった!
----------------------

これらのトラブルに対して原因を考えます。
例えば、
----------------------
・軸受が摩耗してきた結果、回転数が遅くなったり、全く動かなくなった
・温度の変化によって、グリスの粘性が変化し、回転数が遅くなったり速くなったりした
・モータ部品の寸法バラツキにより、回転数が遅くなったり早くなったりした
----------------------
このように、トラブルの原因であるノイズ候補を考える演習をします。


ssseminardouga.009.jpeg
次に品質工学の手順を説明します。
品質工学(パラメータ設計)の手順は、大きく分けて3つのステップから成ります。

【Step1】では、設計値や加工条件をL18直交表に割り付けて、様々な効果を含んだ組合せを作ります。
【Step2】では、作った組合せに対して、ノイズを与えた状態でL18直交表の実験をします
【Step3】では、直交表の実験結果から、SN比と感度を算出し、最適条件を得ます。

その結果として、品質トラブルを最小限に抑えることが出来ます。


ssseminardouga.010.jpeg
第2章「入力と出力」では、
技術を4つ(制御因子、ノイズ、入力、出力)に分類する演習を行います。

伝統的な品質工学では、出力を何にするかが重要とされています。


ssseminardouga.011.jpeg
伝統的な品質工学では、出力を何にするかが重要とされていますが、
このセミナーでは、「出力は重要」とは考えておりません。


ssseminardouga.012.jpeg
先ほど紹介したように、いろいろな事例について、技術を4つに分類する演習をします。


ssseminardouga.013.jpeg
「腕時計」の技術を4つに分類してみると、

【ノイズ】は、(使用)温度や歯車の摩耗などが考えれます。
【入力】は、実時間です。
【出力】は、腕時計の示す時間です。
【制御因子】は、ゼンマイの幅やグリスの種類などです。

このように、いくつかの事例で演習を行います。


ssseminardouga.014.jpeg
第3章「実施マニュアル」では、
品質工学の実施マニュアルを紹介に説明します。


ssseminardouga.015.jpeg
品質工学(パラメータ設計)の手順は以下の通りです。
----------------------
1. テーマ名と目的を決める
2. 現状の問題点と理想の状態
3. 実験計画を立てる
4. L18直交表実験(本実験)
5. 各制御因子の効果を計算
6. 最適条件と比較条件を選ぶ
7. 推定値を計算する
8. 確認実験を行う(確認値を求める)
9. 利得の再現性の確認
10. 最終最適条件を求める
----------------------


ssseminardouga.016.jpeg
「3. 実験計画を立てる」は、特に重要なステップになります。
ここを疎かにすると、後に続く直交表実験が失敗する可能性が高くなります。

「3. 実験計画を立てる」は、ボリュームが大きいので、「3.1」〜「3.7」まで分けて検討していきます。
4つの因子とステップ(設定、実験可能か?、水準値の決定、予備実験)のマトリクスで考えます。


ssseminardouga.017.jpeg
この中でも特に重要となる「3.5 予備実験」について説明します。


ssseminardouga.018.jpeg
「3.5 予備実験」には、3つの目的があります。
----------------------
1)入力・出力は妥当か?
2)ノイズは妥当か?
3)繰り返し誤差は小さいか?
----------------------
これらを順番に検討していくことで、直交表実験の失敗を未然に防ぐことが出来ます。


ssseminardouga.019.jpeg
「10. 最終最適条件を求める」では、求めた最適条件に対して、コストなどを加味した最終最適条件を求めていきます。
この電解研摩加工条件の最適化事例では、電圧をアップさせることによるコストダウンが可能となります。
これにて開発の終了です。


ssseminardouga.020.jpeg
「第4章「専用解析ファイルの使い方」」では、受講者に配布済みの「品質工学専用のエクセル解析ファイル」の使い方について、受講者自身のPCで操作して体験してもらいます。


ssseminardouga.021.jpeg
「品質工学専用のエクセル解析ファイル」です。
緑色の枠で囲った水色のセルに、実験結果を記入します。


ssseminardouga.022.jpeg
L18直交表実験の結果、得られた要因効果図を見ながら、確認実験の為の最適条件と比較条件を検討し、記入します。


ssseminardouga.023.jpeg
「第5章「標準SN比・望目特性のSN比」では、望目特性のSN比と標準SN比について学びます。


ssseminardouga.024.jpeg
初心者セミナーでは、第1章から「リニアなSN比(0点比例式)」を取り上げて説明をしています。
これは、原点を通り、リニアな特性の場合のみ適用できるSN比です。
しかしながら、品質工学を自身の事例で活用しようとする場合、このようなリニアな特性になるものは実は少ないです。
右側のように、非線形な特性になったりする場合が多く、このような特性の時には標準SN比が用いられます。
この他に、入力が無い時に用いる望目特性のSN比も紹介しています。


ssseminardouga.025.jpeg
以上、初心者セミナー(パラメータ設計)の各章の内容をザッと紹介しました。