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直交表は、条件を満遍なく均等に振るための道具です(交互作用をチェックする道具ではありません) [【その他の品質工学関連】]

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直交表は、条件を満遍なく均等に振るための道具です。
(交互作用をチェックする道具ではありません)

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品質工学で直交表を使う理由は、
教科書(例えば、田口玄一:実験計画法と品質工学,品質工学会誌,Vol.2,No.1,pp2)では、
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「品質工学におけるパラメータ設計の内容は、( 中 略 )
制御因子同士の交互作用が無くなったかどうかのチェックに直交表を使うところにある
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と説明されています。
つまり、直交表を使う理由は【交互作用をチェックするため】です。

一方、私の考え(もっといい品質工学)は、
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” 技術者は、交互作用をコントロールすることはできない。
従って、交互作用をチェックしても意味がない。
条件を満遍なく均等に振るために直交表を使う”※詳細は後述
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です。
つまり、直交表を使う理由は【条件を満遍なく均等に振るため】です。

どちらが「正しい、間違い」ではなく、考え方の問題です。
考え方は自由です。
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私の考え「もっといい品質工学」において、直交表を使うメリットを述べます。

設計・製造条件を振って実験する際、
直交表を使わない場合は、
技術者『あの因子が効きそうだ!』
という先入観から、実験の条件が偏ってしまうという問題があります。
つまり、「技術者自身の先入観に影響を受けてしまう」ということです。
(※先入観が間違っていた場合、良い条件にたどり着けないことになります)

一方、直交表を使う場合は、
技術者『因子を直交表で割付けをしよう!』
ということで直交表に割付けをすると、満遍なく均等に条件を設定することができるので、実験の条件が偏ってしまうことがありません。
つまり、メリット①「技術者自身の先入観に影響を受けない」
そして、メリット②「偶然の出会い(意外な好条件)に恵まれる可能性がある」
(※直交表は、ランダムっぽい(本当はランダムではなく満遍なく均等な)割り付けになるので、意外な好条件にであるということです)
以上、2つのメリットを享受することが可能です。
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【※詳細後述です】
私の考え「もっといい品質工学」において、交互作用をチェックしない理由を述べます。

それは、【交互作用の大小は、人間にはコントロールできない】からです。

交互作用が小さい場合、要因効果図から求めた最適条件が一番良い条件になります。
(※L18直交表の場合、総当たり4374通りの中から一番良い条件が求まります)

交互作用が大きい場合、要因効果図から求めた最適条件が一番良い条件にはなりません。

人間には「交互作用」を観察することしかできないのです。
観察するだけなら、「交互作用」をチェックするメリットはありません。
だからチェックしません。

であれば、確認実験なんて不要では?
と考える人もいるかと思います。
はい、その通りです。
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「交互作用」をチェックしないのなら、確認実験は不要です。

でも、要因効果図を作成し、一番良い(と思われる)条件で実験すれば、一番良い条件が見つかる(かもしれない)。
(※交互作用が小さい場合は、一番良い条件が見つかります)

よって、確認実験をする価値はあるのです。

交互作用はチェックしませんが、「幸運の女神が微笑む(交互作用が小さい)」かもしれないので、確認実験は実施した方がベターです。
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品質工学の教科書では、「基本機能を再検討し、交互作用を小さくする」という試みがされる場合があります。
『交互作用を小さくすることに価値がある』という考え方に基づくものだと思います。
しかしこれは、時間的な余裕のある技術者にのみオススメです。
※但し、手段(品質工学)が目的化している可能性が大なので注意が必要

『あなた(技術者)には、時間的な余裕がありますか?』

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まとめです。

満遍なく均等に条件を振るための便利な道具として「直交表」を活用しよう。
交互作用をチェックは全く不要です。

というのが私の考え方です。
反論や異論は、ぜひご自身のホームページやブログ等でご紹介下さい。
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