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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2017年10月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2017年7月13日(木)、第3回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「T法による長寿の要因分析(3回目)」長野県テクノ財団 岩下幸廣
長寿の要因についてT法で解析したが、前回までの発表では参加者の理解が得られなかった。そこで「項目間の相関が強い場合のT法」として、2つの方法及び手順を提案、整理して、関係者で議論を行った。
(2)「T法の項目診断について」日本電産サンキョー 中西徹
T法はエクセルの関数のみで計算出来る事から、他の手法に比べると品質工学初心者への普及も比較的敷居が低い。ところが、有効項目を取捨選択するための項目選択は、2水準系の直交表を用いて行われていて、エクセル関数のみで処理するには難しい。一方、項目選択を1項目ずつで行う方法も提案されており、こちらは比較的容易に計算出来る。そこで、これらの項目選択のやり方で、推定精度に差が出てくるのか、3つの事例を使って試してみた。その結果、推定精度への影響は大きくは無いが差がある事が判ったが、どちらが有効かという結論には至らなかった。今後も研究会を通じ、簡単で有効な項目選択の方法を検討する事となった。
(3)「MT法と標準化誤圧による判別について」長野県工業技術総合センター 児野武郎
材料試験機による打抜き加工時のストローク-荷重曲線から、加工時の異常についてMT法と標準化誤圧による判別を試みた。その結果、両者とも比較的良好な判別ができた。標準化誤圧は比較的簡便に計算できるため、中小企業への普及の可能性を得ることができた。
【共通テーマ】
「共通テーマ検討」
MT法で指紋認証等の画像判別を検討する。また、製造工程の監視をMT法を使って行う等のアイディアが出された。

 2017年8月10日(木)、第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
(1)「IoTとオンライン品質工学」 信州大学 岩下幸廣
On-Line QEによるIoTの最適化及びMT法のAIへの適用について、生産機械での考え方、検討した事例を発表した。今回の発表をベースに、品質工学のIoT及びAIへの適用の検討を進めたい。
(2)「ボールの機能性評価について」 長野県工業技術総合センター 児野武郎
ボールの跳ね返りについて調べた小学生の自由研究の結果を分析し、床の硬さが変化しても同じように跳ねるボールを優れたボールとして、機能性評価を行った。その結果、ウレタンボールが最もSN比が高く、ゴルフボールやビー玉は低いことが分かった。今後の研究会における事例研究のヒントとなった。
(3)「MT法による部品の画像判別」 KOA(株) 守谷敏
MT法を用いて電子部品の汚れ判別を行うことを検討している。画像を濃度データに変換し,4項目の特徴量として解析を行った。さらに項目診断で2項目に絞り込んでみたところ,十分使えそうな感触が得られた。今後は部品の判別対象範囲や単位空間の見直しを行い,判別精度を上げていく予定である。
【共通テーマ】
「共通テーマ検討」
テーマを検討し、工業技術総合センターが保有するAEセンサーを用いて、工作機械の異常診断を行うこととなった。今回はAEセンサーの実物を持ち込み、どのような測定ができるか検討した。次回以降、実際に工作機械に取り付け、データ取りを試みる予定である。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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