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QES2012『T法における欠測データの活用に関する研究』ポスター発表用資料の紹介 [【その他の品質工学関連】]

2012年度の品質工学会 研究発表大会でポスター発表しました資料をJPG画像に変換し、ブログに掲載致します。

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発表番号:【24】
発表日:2012年6月28日(木)→大会1日目です
発表形式:【ポスター発表】
論文表題:『T法における欠測データの活用に関する研究』
発表者名:増田雪也
詳細論文:7ページ版の詳細論文(PDFファイル)→予稿集よりも詳細な内容となっておりますので、ぜひご覧下さい。
Q&Aなどの追記:こちら・・・6/28(木)の夜にアップする予定です
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研究の概要です。

T法は、手軽に重回帰分析ができる手法です。
あまり知られていませんが、欠測データが存在しても、解析できるというメリットがあります。

しかし、欠測データ数が推定精度に与える影響があると考えれるため、本研究において、その検証をしました。
また、エネルギー比型SN比を用いて、欠測データ数の影響をキャンセルできないかを検討しました。

その結果、欠測データ数が推定精度に与える影響は小さいことが判明しました。
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従来の重回帰分析では、欠測データが存在すると解析ができません。
そこで、欠測データを含む行、または列を削除して解析します。

しかしT法では、欠測データが存在していて、数式的に全く問題なく計算ができ、大変便利です。
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なぜT法で欠測データを扱えるのかを説明します。
左右のグラフをご覧下さい。
左のグラフは、データ数が15個揃っています。
右のグラフは、左のグラフから5個のデータを欠測させた場合です。

右のグラフにおいて、5個のデータが欠測したとしても、バラツキ度合いを表すゼロ点比例式のSN比ηを算出することは可能です。
従いまして、T法にて推定値を算出することが可能となります。
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故意にデータを欠測させた場合の相関係数および総合推定のSN比を比較してみました。

左のグラフは、全部のデータが揃っています。
 真ん中のグラフは、斜めにデータを欠測させてあります。
  右のグラフは、市松模様にデータを欠測させてあります。

3つの推定結果は、相関係数および総合推定のSN比共に、ほぼ同じ値となりました。
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この3つの測定項目のおける解析の場合、それぞれデータ数(つまり欠測データ数)が異なっているため、そのデータ数が重み付けのSN比ηに与える影響が懸念されます。

そこで、電気使用量の事例で検証してみることにしました。
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4つの測定項目「ガス」「降水量」「気温」「最高気温」において、それぞれ同じ値をダブらせ、バラツキが同じデータ群を作ります。

※ブログでは説明が難しいため、7ページ版の詳細論文(PDFファイル)をご覧いただいた方が良いかもしれません。
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値をダブらせてない「k1」と、値をダブらせてある「k1'」は、共に同じバラツキですので、重み付けのSN比を計算した際、同じ値になって欲しいのです。

実際にどうなるかを計算してみました。
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従来のT法で使っているゼロ点比例式にて検証した結果を棒グラフに示します。
緑色はダブらせてないもの、黄色はダブらせたものです。

比較すると、重み付けのSN比ηの値は異なることがわかります。
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一方、エネルギー比型SN比にて検証した結果では、緑色と黄色の棒グラフは同じ値となり、理想的な計算ができていることがわかります。
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エネルギー比型SN比の効果を実際に検証するために、電気使用量の事例にてT法の推定を行ってみました。

ご覧のように、左半分のデータを欠測させて解析してみました。
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解析した結果、従来のゼロ点比例式でのSN比とエネルギー比型SN比では、ほぼ同じ推定結果となりました。

今回の事例では、欠測データ数は推定結果に大きな影響を与えませんでした。
7ページ版の詳細論文(PDFファイル)において、別の事例にて検証しましたが、やはりほぼ同じという結果となります。
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もしも、T法で試したい欠測データなどありましたら、メール(info2qe@abox3.so-net.ne.jp)にてご連絡いただければ幸いです。

Q&Aなどの追記はこちら
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