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長野県品質工学研究会の活動報告(品質工学会誌2019年4月号広場の記事より抜粋) [長野県品質工学研究会の活動報告(転載)]

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長野県品質工学研究会
 2018年12月14日(金)、第8回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す研究発表、事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【研究発表】
「機械学習とMT法を用いたプレス加工音による金型摩耗の検知」 (長野県工業技術総合センター 新村諭)
本研究ではMT法と 機械学習であるk-means法を使い、マイクロホンを用いてプレス金型の摩耗を検知させた。プレス機周辺では様々な音がするため、k-means法で17個の集団に分割し、それぞれで単位空間を生成した。
【事例発表】
(1)「T法における非線形データ処理ついて」 (信州大学 岩下幸廣)
非線形データを対数変換などすることによってT法を活用することができる。事例などからその方法を分類、整理した。
(2)「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」 (日置電機(株) 兒玉光)
T法について、目的変数を対数変換する手法を用いたところ、目的変数が大きい時に、予測値がかいり離する現象が発生したため、対処方法を相談し、以下のようなアドバイスをいただいた。
・対数変換前と比較して、相関係数が大きくなっている場合は予測精度は向上していると判断して良く、係数をかけて補正するとよい。
・目的変数、説明変数について対数変換の効果を効率的に検討する手法を紹介いただいた。
・今回の問題とは関係ないが、説明変数について言語データの数値化方法に間違いがあることを指摘いただいた。
【共通テーマ】
「MTシステムによる加工部品の品質推定」
旋盤加工時の加速度センサ、AEセンサデータの解析結果と加工条件から、製品の表面粗さ(算術平均粗さRa)をT法で推定した。その結果、真値と推定値で相関係数0.9程度の結果が得られた。今後あらためて旋盤加工実験を行い、粗さが推定できるか確認する。

 2019年1月11日(金)、第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)にて開催した。以下に示す研究発表、品質工学実践交流大会予行および事例発表についてディスカッションした。
【研究発表】
「プレス加工製品の高性能化に関する研究」 (長野県工業技術総合センター 長洲慶典)
スイッチとして使用されるプレス部品の適正形状を得るために、実験計画法とCAEを組み合わせて部品形状の最適化を試みた。解析結果に基づき金型設計・金型製作・評価試験した結果、目標とする部品性能(最大圧縮荷重/クリック率)を有することを確認した。
【品質工学実践交流大会予行】
2019年2月1日に実施予定の品質工学実践交流大会で発表する3テーマについて、発表の予行を実施した。
・「技術開発に品質工学を活用しよう〜パラメータ設計の事例から〜」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
・「T法を用いたソフトウェア評価時間予測」(日置電機(株) 兒玉光、髙橋博之)
・「パラメータ設計を用いた、モータ設計」(日本電産(株) 三宅拓郎、塚本ちさと)
【事例発表】
「T法で定性的なデータを扱う場合」((有)増田技術事務所 増田雪也)
定性的なデータを扱う場合に、項目及びその水準値をどう設定するのか紹介した。重回帰分析と同じような処理をすると、貴重な情報が欠落する事例を説明した。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)
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