SSブログ

ブログプレゼンテーション『品質工学の紹介』4)なぜ、市場や工場でトラブルが減少するのか? [シリーズ「品質工学の紹介」]

KP_QE.022.jpg
品質工学で求めた「より良い条件」でモノを作ると、市場や工場でトラブルが減少します。
「なぜ、市場や工場でトラブルが減少するか?」について説明します。

----------------------
KP_QE.023.jpg
実は、市場や工場で発生するトラブルの原因は、「ノイズ」なのです。
以前に紹介した「4つのノイズ」が原因で、トラブルが発生します。
それでは今から、「トラブルの原因がノイズである」ことを、2つの事例で説明していくことにします。
----------------------
KP_QE.024.jpg
1つ目の事例は【ゴムの経年変化(ドアのゴムシール)】です。
この場合のノイズは「劣化」になります。

2つ目の事例は【湿度の変化(プリンターの紙送り機構)】です。
この場合のノイズは「環境」になります。

それでは、それぞれ2つの事例について詳しく説明していくことにしましょう。
----------------------
KP_QE.025.jpg
「トラブルの原因はノイズです」
このことを説明するために、「ゴムの経年変化」を例に取り上げ、お話します。
----------------------
KP_QE.026.jpg
自動車のドア部分に取り付けられている「ゴムシール」は、ドアとボディの間にピタッと密着し、雨が漏るのを防いでいます。
製造時には、ゴムが軟らかく、ドアとボディの間にピタッと密着します。
よって、雨漏りすることはありません。
しかし、製造後10年ともなると、ゴムは硬くなり、ドアとボディの密着性が悪くなり雨漏りが発生します。
ここで、「雨漏り」という「トラブル」が発生する訳です。
この原因は、「ゴムが硬くなった」ことです。
このゴムの硬化は、ゴムの経年変化というノイズ「劣化」に分類されます。
つまり、「雨漏りというトラブルの原因は、「劣化」というノイズです」ということになります。
----------------------
KP_QE.027.jpg
品質工学による開発では、「ノイズに強い最適条件」を求めます。
ドアのゴムシールでいえば、「ゴムが硬化したとしても、その影響を受けにくい良い設計条件を求める」という開発になります。
その結果、
・製造時のゴムは軟らかく、もちろん雨漏りしません。
・10年後にゴムは硬くなりますが、硬くなったとしても、雨漏りしないような、ゴムシールの断面形状等の良い設計を探します。
つまり、ゴムが硬くなっても雨漏りせず、トラブルがなくなるわけです。
----------------------
KP_QE.028.jpg
「トラブルの原因はノイズです」
このことを説明するために、「湿度の変化」を例に取り上げ、お話します。
----------------------
KP_QE.029.jpg
プリンターの紙送り機構には、紙を1枚ずつ送り出すための機能があります。
湿度60%の部屋でプリンターを使う場合、紙送り機構は正常に動作して、1枚ずつ紙を送り出すことができます。
しかし、湿度が30%にまで乾いてくると、摩擦力が低下して、「空送り」というトラブルが発生します。
また、湿度が90%にまで湿ってくると、摩擦力が高まってきて、「2枚送り」というトラブルが発生します。
これらのトラブルの原因は、「湿度が変化」したことです。
「湿度の変化」は、「環境」というノイズに分類されます。
つまり、「送りミスというトラブルの原因は、「環境」というノイズです」ということになります。
----------------------
KP_QE.030.jpg
品質工学による開発では、「ノイズに強い良い条件」を求めます。
プリンターの紙送り機構でいえば、「湿度が変化したとしても、その影響を受けにくい最適条件を求める」という開発になります。
その結果、
・湿度60%の時は、もちろん1枚ずつ送れます。
・湿度30%になったとしても、1枚ずつ送れるような紙送り機構の最適設計をします。
・湿度90%になったとしても、1枚ずつ送れるような紙送り機構の最適設計をします。
つまり、湿度が変わったとしても、ちゃんと1枚ずつ送れるようになり、トラブルがなくなるわけです。
----------------------
KP_QE.031.jpg
それでは、「なぜ市場や工場でトラブルが減少するのか?」について、まとめます。

トラブルの原因は「ノイズ」でした。
品質工学では、この「ノイズ」に強い良い条件を求めるので、結果的にトラブルが減少します。

それでは次に「なぜ、合理的・効率的な開発ができるのか?」について説明します。
----------------------
前の記事】←■→【次の記事

【目次】
----------------------
1)はじめに&目次
2)品質工学の概要
3)品質工学での「良い」とは何か?
4)なぜ、市場や工場でトラブルが減少するのか?
5)なぜ、効率的な開発ができるのか?
6)機械式腕時計の良い設計条件
7)良い条件の求め方(詳細)
8)なぜ、コストを低減できるのか?
9)品質工学の導入方法

【お問い合わせ】
----------------------
品質工学またはこのプレゼンに関するお問い合わせは、電子メールにてお願い致します。
(48hr以内に必ず第1報の返信メールを致します)
   e-mail:info2qe@abox3.so-net.ne.jp
または、Googleフォームに必要事項をご記入下さい。
----------------------
※弊社の事業内容はこちら