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ブログプレゼンテーション『品質工学の紹介』8)なぜ、コストを低減できるのか? [シリーズ「品質工学の紹介」]

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品質工学で開発を行うと、「なぜ、コストを低減できるのか?」について、説明をします。

動画(YouTube)でも見ることができます。
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前回、「要因効果図」についてご紹介しました。
この「要因効果図」は、各設計条件の効果(SN比・感度)を表しているものでした。
この「要因効果図」の下に「コスト」を併記してみると、上記のようになります。
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コストを削減する方法について述べます。
既に述べたように、「要因効果図」に「コスト」を併記することにより、「各設計条件(または各加工条件)」と「効果(SN比・感度)」と「コスト」の関係が明らかになりました。
そこで、この要因効果図を見て、「効果(SN比・感度)が同じレベル」かつ「コストが異なる」設計条件を探します。
「効果(SN比・感度)」が同じですから、なるべく安い水準を選べば、コストを削減することができるわけです。
品質工学では、このようにして、コストの安い条件を見つけます。
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「効果」と「コスト」の傾向の組合せには、3つのパターンがあります。

先ず、左のパターン。
つまり、「効果」が良好な方が「コスト」が安い場合。
この場合は、どの水準がベストになるでしょうか?
答えは簡単です。
「効果」が良くて、「コスト」が安い、「0.1mm」がベストです。

次に、真ん中のパターン。
これはどうなるでしょうか?
これは、上記で紹介したようにコストを削減できるパターンですから、「コスト」が安い「0.1mm」がベストになります。

最後に、右のパターン。
つまり、「効果」が悪い方が「コスト」が安い場合。
この場合は、どの水準がベストになるでしょうか?
答えは、「効果とコストのバランスを考えて決定する」です。
このパターンは、「効果」と「コスト」がトレードオフの関係になりますので、正しい答えは無く、「コストと効果のどちらを優先するかを考えて決定する」ということになります。
「コストは高いが、効果を優先する」か、または「効果は低いが、コストを優先する」か、という判断です。
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品質工学を使うと、「なぜ、コストを削減できるのか?」について、まとめます。

品質工学を使うと、『この性能を得るには、このコストが必要』というコストの限界が明らかになり、性能ギリギリまでコストを低減することができます。
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これまでに4つの事項について、個々に説明してきました。
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1.「品質工学での「良い」とは何か?」
2.「なぜ、市場や工場でトラブルが減少するのか?」
3.「なぜ、効率的な開発ができるのか?」
4.「なぜ、コストを削減できるのか?」
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全体をまとめてみます。
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1.品質工学の目的は「より良い条件(ノイズに強い)を求める」である。
2.品質工学のメリット
・市場や工場でのトラブルを最小限→【SN比で評価するから】
・効率的な開発→【直交表を使うから】
・コスト削減→【要因効果図を使うから】
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これまで紹介しましたように、品質工学(タグチメソッド)は、「モノづくり」において、非常に強力なツールです。
ぜひ、技術者の皆さんにご活用いただければと思います。
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【トピック1】実はトラブルの原因は2種類ある、について述べます。

実はトラブルの原因は2種類あるのです。
1つ目は、「コントロールできるもの」です。
「設計条件・製造条件」が悪いからトラブルが発生します。
だから、L18直交表を使って最適化します(=良い条件を探す)

2つ目は、「コントロールできないもの」です。
「ノイズ」が悪いからトラブルが発生します。
だから、ノイズに強くします。
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【トピック2】従来と品質工学の違いを時間軸で比較

従来の開発方法では、ノイズを与えないで【A】という製品を技術開発します。
この製品を市場に投入すると、ノイズが原因でトラブルが発生します。
すると、トラブル対策が必要になります。
トラブル対策した製品を市場に再投入します。
すると、別のノイズで別のトラブルが発生します。
そのトラブル対策が必要となります。
ということで、1年経過した時点で、まだ【A】という製品にはトラブルが発生しています。

一方、品質工学の開発方法ではどうでしょうか。
品質工学では、ノイズを与えて【A】という製品を技術開発します。
トラブルの原因であるノイズを与えて開発するので、市場へ投入しても殆どトラブルは発生しません。
ということで、半年で【A】という製品は開発が終了する訳です。
次に【B】という製品も同じように開発を進めます。
すると、1年経過した時間では、【A】と【B】という2つの製品開発が完了していることになります。

ということで、ノイズを与えて技術開発することにより、開発スピードが向上することになります。
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次は「2. 品質工学の導入企業・発表テーマ」の紹介です。
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品質工学会で学会発表している企業を抜粋してみました。
大企業ばかりでなく、最近では中小企業でも発表があります。
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製造関連のテーマを抜粋してみました。
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設計関連のテーマを抜粋してみました。
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品質工学会誌に掲載された論文は、J-STAGEにて、誰でも無料でPDFをダウンロードすることができます。
※最新号(1年以内)を除く
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【目次】
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1)はじめに&目次
2)品質工学の概要
3)品質工学での「良い」とは何か?
4)なぜ、市場や工場でトラブルが減少するのか?
5)なぜ、効率的な開発ができるのか?
6)機械式腕時計の良い設計条件
7)良い条件の求め方(詳細)
8)なぜ、コストを低減できるのか?
9)品質工学の導入方法
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