【No.3 シミュレータの開発】 [シリーズ「品質工学シミュレータの紹介」]
「2.シミュレータの開発」について述べます。
第2章は、3つのパートに分かれています。
----------------------
2.1 品質工学シミュレータ
2.2 数式の作成
2.3 ソフトウエアへの組み込み
----------------------
まず最初は、「2.1 品質工学シミュレータ」について述べます。
ソフトウエア教材として、【電動ポンプ】の「シミュレータ」を考案しました。
この「シミュレータ」を用いて、バーチャルな【電動ポンプ】の開発を体験してもらいます。
「品質工学シミュレータ」の概念について述べます。
「シミュレータ」には、数式が組み込まれています。
この数式に対して、「入力」、「誤差因子(ノイズ)」、「制御因子」をインプットすると、「出力」がアウトプットされます。
この計算を行うのが「シミュレータ」ということになります。
数式の作成について述べます。
「シミュレータ」で用いる数式は、以下のような関数で表すことができます。
【 y = f (M,N,A,B,C,D,E,F,G,H) 】
----------------------
M:入力
N:誤差因子(ノイズ)
A〜H:制御因子
y:出力
----------------------
つまり、「出力y」は、「入力M」と「誤差因子N」と「制御因子A〜H」の関数で表すことができます。
品質工学用の数式モデルの特徴について述べます。
品質工学では、「制御因子」と「誤差因子(ノイズ)」の交互作用を利用して、「誤差因子(ノイズ)」に対して強い条件を見つけます。
よって、品質工学シミュレータで用いる数式には、左の図のような交互作用の効果を含める必要があります。
つまり、
「制御因子A」の水準を【A1】にすると「誤差因子N」に対して影響を受けやすく(ノイズに弱く)なる。
「制御因子A」の水準を【A2】にすると「誤差因子N」に対して影響を受けにくく(ノイズに強く)なる。
ということです。
その結果、右の図のような要因効果図となり、【A2】を選べば、SN比の改善が可能となります。
品質工学シミュレータでは、このような要因効果図を得るために、独自の数式を考案しました。
つまり、要因効果図の「制御因子A」から「制御因子H」までの8つの制御因子に対して、それぞれ異なった要因効果が出るような独自の数式を考案しました。
−−−−−−−−−−−−−−−−End−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【No.3 シミュレータの開発】→【No.4 ソフトウエアへの組み込み】
【目次はこちら】>> go
■後記(2019.6.10)品質工学シミュレータを無償配付します。
コメント 0